消費者金融でローン申し込みの際に「収入証明書をご提示ください」と言われた方へ 。

年収は100万円しかないけど、50万円以上借りたいから200万円に偽造したい!

しかし収入証明書に偽造するのは刑法に抵触します。
本記事では、収入証明書を偽造すると、どのような罪に問われるのか説明していきます。

 

収入証明書を偽造すると抵触する3つの法律

 

法律①
私文書偽造等の罪・刑法第159条

最近は収入証明書のやり取りにFAXや電子メールが使われています。
窓口で申し込まない限り、原本を提出することはまずありません。

パソコンの画像編集ソフトを使えば、数字をごまかすのはそんなに難しくないでしょう。

けれども、もし偽造が発覚した場合は、刑法第159条の「私文書偽造等の罪」に抵触し、1年以下の懲役か10万円以下の罰金が科せられます。

ここでいう「私文書」とは以下のものを指します。

・企業が発行する源泉徴収票や給与明細
・個人で作成して税務署で届出印を受領した確定申告書

もし偽造したのが役所で発行する所得証明書や課税証明書であれば、刑法第155条の「公文書偽造等の罪」に抵触します。

これは公務員が作成した書類が対象になり、最大で3年以下の懲役か20万円以下の罰金と、私文書を偽造した時より罪が重くなります。

 

法律②
偽造私文書等行使の罪・刑法第161条

刑法第155条と159条は、あくまでも偽造したことに対する罪です。これを使用すると今度は別の刑法に抵触します。

  • 私文書であれば刑法第161条の「偽造私文書等行使の罪」
  • 公文書であれば刑法第158条の「偽造公文書行使等の罪」

偽造する人間と行使する人間は同一と限らないので、それぞれに罪が存在します。

処される罰則は第161条であれば159条、第158条であれば155条と同じです。

もし同一人物が偽造して行使すれば「併合罪」とみなされて、刑法第47条により懲役ならどちらか重い罪の1.5倍が科せられます。
ただし、罰金は刑法第48条により2つの罪の合計額以下になります。

つまり公文書なら40万円、私文書なら20万円以下になるのです。

 

法律③
詐欺罪・刑法第246条には抵触するの?

収入証明書を偽造して、金融機関と融資の契約を結ぶことは詐欺行為のように思われます。

刑法第246条では「人を欺いて財物を交付させた者」または「財産上不法の利益を得た者」に対して10年以下の懲役が課せられます。

ところが融資の契約は、あくまでもお金を貸し借りするだけなので、返済が滞りなく行われている限りは詐欺罪を適用できません。

同様にお金を貸してしまった後で収入証明書の偽造に気づいたとしても、その金融機関にとって優良顧客であれば、あえて罪に問う理由がないのです。

犯罪の成立要件は

  1. 刑法の条文に書かれている行為である(構成要件該当性)
  2. 違法性がある
  3. 犯罪者に責任を問える(有責性)

以上の3つですが、被害者が訴えないと、よほどの凶悪犯罪でない限り裁判が行われないので罪に問えないのです。

もちろん借りたお金を返済できない、消費者金融や信販会社から年収の3分の1を超える金額を借りるのは、金融機関が不利益を被っているので詐欺罪に抵触するでしょう。

 

最後に…

収入証明書を偽造すると

  1. 私文書(または公文書)偽造の罪に抵触する
  2. 偽造私文書(または公文書)行使の罪に抵触する
  3. 詐欺罪には抵触しないかもしれない

という解釈ができます。

すべてが抵触された場合、最大で25年の懲役、40万円以下の罰金が科せられる可能性があるのです。

ここまで大事にならなくても、収入証明書の偽造は金融機関からの信頼を失います。
その情報はJICCやCICなどの信用情報機関に登録されるため、それが消えないうちは、どこもお金を貸してくれません。

たとえ審査に通りづらかったとしても、収入証明書を偽造しないようにしましょう。

以上、
「収入証明書を偽造すると抵触する3つの法律」でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。